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メッセージ

柳川範之

社会連携講座 座長

柳川 範之

東京大学大学院経済学研究科
教授・副研究科長

ご挨拶

世の中には、人口問題、環境問題、貧困や格差問題など、一般に「社会課題」と呼ばれている、多くの解決すべき問題があります。社会の様々な課題をどうすればよりよい形で解決できるのか、それを考えるのが経済学であり、社会科学の重要な役割でもあります。
とはいえ、社会貢献活動を続けていれば企業の収益性があがるという単純な構造に現実社会がないのも事実です。どのようにすれば、企業業績を維持しつつ、社会の課題解決にも役立つことができるのか。あるいは社会課題解決を模索することが、企業業績にも貢献する道筋はないのか。この点を真剣に考える必要性に迫られています。

また、どのようなことが起きたら、社会課題解決に貢献したといえるのか、というのも大きな課題です。社会的課題解決の程度について、具体的に数値化・データ化し、その改善度合いを計測していくことが求められています。これは、簡単なことではありませんが、テクノロジーの進展も積極的に活用しつつ、実証的な分析を積み重ねていく必要があります。

本社会連携講座では、社会的価値の創造を経営の柱の一つとして捉えているSMBCグループとともに、これからの点をしっかり分析・研究をして次世代の価値創造につながる道筋を明らかにしていきたいと考えています。

経歴

(やながわ・のりゆき) 中学卒業後、父親の海外勤務の都合でブラジルへ。ブラジルでは高校にいかず独学生活を送る。大検を受けたのち慶應義塾大学経済学部通信教育課程入学。同課程卒業後、1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。慶応義塾大学経済学部専任講師、東京大学大学院経済学研究科・経済学部助教授、同准教授を経て、2011年より現職。

髙市邦仁

社会連携講座 副座長

髙市 邦仁

三井住友フィナンシャルグループ
社会的価値創造推進部長

ご挨拶

社会課題が拡大、深刻化する中、企業には社会的価値を創造し、その成果を説明可能な形で示すことが求められています。SMBCグループは、現中期経営計画にて「社会的価値の創造」を経営の柱の一つに据え、社会課題の解決を通じた社会への貢献を目指してきました。中でも銀行は、資金の流れをつくることや、経営資源を適切に配分し、お客さまをご支援することで、社会の持続的成長を支えます。また、社会的価値を可視化しつつ、あわせてそれが経済的価値へつながることを実証することで、金融の意思決定の質と信頼性を高めることが出来ます。

本社会連携講座では、座長・柳川範之教授の下、社会的価値が中長期的に経済的価値に結び付く経路を、具体的な事例・データに基づき検証し、再現可能性の高いエビデンスを積み上げます。学生の皆さまとも、社会課題を起点とした事業構想やそれを後押しする制度・政策のあり方を議論し、次世代の価値創造の姿を模索していければ幸いです。

研究成果は、多様なステークホルダーとの対話を通じて磨き上げ、より社会実装に資するよう社会に発信していきます。本講座への皆さまのご参画を心より歓迎します。よろしくお願いいたします。

経歴

(たかいち・くにひと) 1998年に東京大学経済学部を卒業後、住友銀行(現・三井住友銀行)へ入行。経済産業省に出向の後、2005年より経営企画部にて経営管理・経営企画業務でのキャリアを重ねる。2014年に赴任した米州統括部(当時)では米国外銀規制対応をグループ長として担当。その後、再び経営企画部にてグループ長、副部長を歴任し、現中期経営計画策定のためのプロジェクトチームのヘッドを務める。2023年10月より社会的価値創造推進部長に就任(現職)。